宮武淳夫建築+α設計

<2つの曲面空間>
建物の1階、間口3.3m奥行き9.3mのスペースに、気軽に入れるバーカウンターと落着いた雰囲気を備えたVIPルーム、その内装と外装デザインが求められた。特性の異なる2つの空間からなる1つのバー、その異質性と同一性をまとめるポイントとして「ブーメラン」から連想した曲面デザインを用いることにした。
バーカウンターは水平的な広がりにブーメラン形状を生かし、ハイカウンター・ハイチェアとすることで重心が高くなり、空間に軽やかさが生まれる。カウンター形状に呼応して周囲の壁と棚も角を曲面化することで視覚的広がりの効果をねらった。
他方、小スペースのVIPルームは奥行きへ向かって天井から床へと垂直方向に連なる曲面状の壁を用いることで、空間の視覚的な重心を低くし、更にローテーブル・ローチェアの配置によって、より落着いた雰囲気づくりを心がけた。
外装デザインは、内と外の視線を繋ぐための細いスリット開口を取り付け、また、内部の雰囲気を外へと伝えるためのサインとして、内装と同じ曲面状の壁を外装にも用いている。
2つの空間の共通の諸要素を対称的にデザインすることで、それぞれの空間的ポテンシャルの質の違いを引き出しつつ、バー全体としてのまとまりが生まれることを意図した。

バー・ブーメラン(2007)

外観
         

用途:バー
所在:京都市南区
業務:内外装の基本設計・デザイン監理
期間:設計2007.9-10、監理2007.11-12
延床面積:30平米(9坪)
階数:1階建て
協力:hongkong(実施設計),tonakai
施工:田中建工
撮影:Yasunori Shimomura
掲載:商店建築2008年8月号